ボディコンテスト競技における筋繊維の特性に合わせたトレーニング戦略
ボディビルやフィジークなどのボディコンテスト競技では、筋肉のサイズだけでなく、筋肉の見え方やバランス、シンメトリー、カット(筋肉の分離度)が重要視されます。
筋繊維の発達が見た目に大きく影響し、特に速筋繊維と遅筋繊維の違いを理解し、それに応じたトレーニングを行うことで、大会での評価を高めることができます。
筋繊維の種類と見た目への影響
1. 速筋繊維(タイプII)
速筋繊維は、短期間で大きな力を発揮し、筋肥大に特化しています。
ボディビルやフィジークの選手が目指す大きな筋肉やカットの良さは、主に速筋繊維の発達に依存します。
特に、速筋繊維が発達すると筋肉が太く見えるため、筋肉のボリュームを増やし、筋肉のカットをはっきりと見せるのに有効です。
- ■ 筋肉の見え方: 速筋が発達すると、筋肉の隆起が強調され、カット(筋肉の分離)がはっきりするため、大会での審査基準である「筋肉の厚み」や「筋肉の分離度」に大きく影響します。
- ■ 評価される点: ボディビルでは筋肥大と筋肉のシャープさ、フィジークではバランスとシンメトリーに重点が置かれるため、速筋の発達がカギになります。
2. 遅筋繊維(タイプI)
遅筋繊維は、持久力に優れた繊維で、日常的な姿勢保持や持続的な筋収縮に関与します。
ボディビル競技では、筋肉のサイズよりも筋肉の引き締まりが重要視されることがあるため、遅筋繊維の発達も無視できません。
ただし、見た目には筋肥大の影響が少ないため、筋肉のサイズを競うボディビルでは優先度は低くなります。
- ■ 筋肉の見え方: 遅筋は筋肉の引き締まりに関与し、筋肉を「締まって見せる」効果があります。遅筋が発達していると、長時間にわたって筋肉が維持されるため、ポージング時に有利なこともあります。
- ■ 評価される点: フィジークでは、過剰な筋肥大よりも、自然な筋肉のシルエットが求められるため、遅筋繊維の発達がバランスの良い体を作る上で役立ちます。
各筋肉における速筋・遅筋の割合とトレーニング
それぞれの筋肉の特徴に合わせたトレーニング
ボディコンテスト競技に向けたトレーニングでは、筋肉ごとの速筋繊維と遅筋繊維の割合を理解し、それに基づいたアプローチを採用することが重要です。
以下は主要な筋肉群ごとの速筋・遅筋の割合と、それに応じたトレーニング戦略です。
1. 三角筋(ショルダー)
三角筋は、ポージングで肩幅を広く見せる重要な筋肉で、特に速筋繊維の割合が高いため、重い重量を使った高強度のトレーニングが効果的です。
- 速筋繊維: 約60〜65%
- 遅筋繊維: 約35〜40%
- トレーニング戦略: 高重量のショルダープレスや、低重量でのレップ数を増やしたサイドレイズが有効です。ボディビルでは肩のサイズと丸みが重要視されるため、ショルダープレスを強化しましょう。
2. 広背筋(ラット)
広背筋は、背中のV字シェイプを作る上で最も重要な筋肉で、速筋繊維が優位ですが、持久力も一定程度必要とされます。
特にフィジークの選手は、広背筋の形が審査ポイントとなります。
- 速筋繊維: 約55〜60%
- 遅筋繊維: 約40〜45%
- トレーニング戦略: ラットプルダウンやデッドリフトで、高重量・低回数のトレーニングを行い、広い背中を作ります。
- フィジークでは広い背中が評価されるため、形を重視しつつ厚みも追求します。
3. 腹直筋(アブス)
腹直筋は、ポージングやステージでの見た目において非常に重要で、主に遅筋繊維が優位です。
フィジークでのポージングでは長時間の持続的な収縮が必要なため、遅筋の持久力が評価されるポイントとなります。
- 速筋繊維: 約45〜50%
- 遅筋繊維: 約50〜55%
- トレーニング戦略: クランチやプランクなど、持続的に負荷をかけられるエクササイズを取り入れます。ボディビルでは腹筋のカット、フィジークでは自然なシックスパックが評価されるため、引き締めと深いカットを目指します。
4. 大胸筋(ペクトラル)
大胸筋は、特にボディビル競技で目を引く重要な筋肉で、速筋繊維が優位ですが、全体のバランスも重要です。
- 速筋繊維: 約60〜65%
- 遅筋繊維: 約35〜40%
- トレーニング戦略: ベンチプレスやダンベルフライを中心に、高重量でのトレーニングを行い、筋肥大を狙います。
- ポージング時の胸の厚みと、分離したカットを強調するための仕上げが重要です。
- 高重量でのセットを行った後、ケーブルクロスオーバーで仕上げると、筋肉の輪郭が際立ちます。
5. 上腕二頭筋(バイセップ)
上腕二頭筋はボディビルで非常に評価されやすい部位です。
速筋繊維が優位ですが、筋肉の形状も重要なため、全体的なバランスが必要です。
- 速筋繊維: 約60〜65%
- 遅筋繊維: 約35〜40%
- トレーニング戦略: バーベルカールやダンベルカールを用いた高重量トレーニングで速筋をターゲットにし、腕のサイズを増やします。
- 特にボディビルでは、バイセップスピーク(筋肉の山)の発達が評価されます。
- 仕上げに軽い重量で高回数のトレーニングを行い、筋肉の形状と血管の浮き上がりを狙うことも効果的です。
6. 上腕三頭筋(トライセップ)
上腕三頭筋は、腕のボリュームを決める大きな筋肉です。
速筋繊維が優位ですが、形状とディテールを作るために、遅筋繊維の持久力も必要です。
- 速筋繊維: 約65〜70%
- 遅筋繊維: 約30〜35%
- トレーニング戦略: トライセッププレスダウンやスカルクラッシャーを高重量で行い、三頭筋の厚みを出します。
- 特にフィジークでは、腕全体のバランスを取るために三頭筋の発達が重要です。
- 軽い重量でのキックバックを取り入れ、筋肉のディテールを作り込みます。
ボディコンテスト向けのトレーニングアプローチ
基本的な考え方
ボディビルやフィジークにおいて、速筋繊維と遅筋繊維をバランスよく発達させることが重要です。
筋肉の大きさと筋肉の見た目(定義)に応じたトレーニングアプローチを採用することで、大会での評価を向上させることが可能です。
速筋繊維向けトレーニング
- ● 高重量・低回数: 速筋繊維は大きな負荷に反応するため、高重量でのトレーニングを中心に行います。
- 6〜12回程度のレップ数で、筋肥大を促します。
- ● 休息をしっかり取る: 筋肥大を狙う場合は、セット間に1〜2分の休息を取ることで、筋力の回復を図り、次のセットでも高重量を扱えるようにします。
例: ベンチプレス、デッドリフト、スクワット
遅筋繊維向けトレーニング
- ● 低重量・高回数: 遅筋繊維は持続的な負荷に強いため、15〜20回以上の高回数トレーニングが適しています。
- 特に腹筋や脚のトレーニングに有効です。
- ● 短い休息時間: 持久力向上を狙う場合、セット間の休息を短くし、持続的に筋肉に刺激を与えることで、遅筋を鍛えることができます。
例: 腹筋のクランチ、レッグプレス、カーフレイズ
ボディコンテストで評価されるための筋繊維の理解
まとめ
ボディビルやフィジークでは、筋肉の見た目やシンメトリー、カットの深さが審査の中心です。
そのため、筋繊維の特性を理解し、それに基づいたトレーニング戦略を採用することが、競技での成功に繋がります。
- ● 速筋繊維の発達は、筋肉のサイズやカットに大きな影響を与え、ボディビルでの筋肥大やフィジークでのシルエット作りに不可欠です。
- ● 遅筋繊維の発達は、ポージング時の持久力や引き締まった見た目をサポートし、自然な筋肉のバランスを作ります。
この理解をもとに、効率的なトレーニングを行うことで、筋肉の発達と見た目の改善を同時に達成し、ボディコンテストでの成功を目指しましょう。
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